先輩と後輩3

   

男子1 後輩で高校二年、家が貧乏なため、早く親を支えてやりたいと思っている。妹や弟がいて、優しい子。
女子1 先輩で高校三年、かなり緩い感じのキャラクター。

SE:セミの鳴き声

(以後、キャストの状態の想定するイメージは、屋上でダラけてねっころがってるイメージ)

1 男子「暑いっすねぇ……」

2 女子「んー。そうだねー」

3 男子「そういえば先輩。もう進路って決まったんすか?」

4 女子「いやー? それがー。なかなかー」

5 男子「結構大変そうですもんね。今。他の先輩も何社も受けたけど落ちたーって言ってましたよ」

6 女子「そうだねー。でもー…… んー」

7 男子「そういえば先輩」

8 女子「んー?」

9 男子「先輩って、就職でしたっけ。進学でしたっけ」

10 女子「それもー…… 決まってないー……」

11 男子「は? いやいやいやいや。先輩もう10月ですよ!? 流石にまずくないですか?」

12 女子「そうなんだけどー、なかなかー」

13 男子「はぁ…… まぁいいっすけど」

SE:セミの鳴き声強調

*間

SE:セミの鳴き声小さく

14 男子「しっかしなー…… 俺も来年は就活っすよ」

15 女子「あれー? 進学はー?」

16 男子「うち、貧乏ですしねー。出来るだけ早く働いて、弟達の面倒みてやりたいんですよ」

17 女子「そっかー。キミも大変なんだねー」

18 男子「まぁ、俺、勉強も好きじゃないし。体動かすの好きだし、別に苦になんねぇっすからね」

19 女子「そっかー。がんばれー少年ー」

20 男子「うっす。頑張るっす」

SE:セミの鳴き声強調

*間

SE:セミの鳴き声小さく

21 男子「そういえば先輩」

22 女子「……」

23 男子「先輩? 寝ちゃいましたか?」

24 女子「んー。いやー。おきてるー」

25 男子「いやぁ、たいしたことじゃないんすけどね」

26 女子「うん~」

27 男子「先輩って、結局彼氏作らないんすか? 青春の貴重な時間を、こんな所で俺なんかと横になって過ごしてますけど」

28 女子「あたしの恋はたいしたことじゃないのー?」

29 男子「いや、すいません。そういう意味で言ったんじゃないんす」

30 女子「そうだねー。動きたくないのー。だってほらー。良いお天気だからー」

31 男子「いや、暑いっすよ」

SE:セミの鳴き声強調

*間

SE:セミの鳴き声小さく

32 女子「わたしはー、キミとこうしてる時間がー、好きなのー」

33 男子「……そっすか」

34 女子「うんそうー」

35 男子「……」

36 女子「……? 照れた-?」

37 男子「そんなことねっす」

38 女子「えー? じゃーこっち向いてよー」

39 男子「いや、なんか今こっち向いておきたい気分なんす。片側だけ焼けちゃったら困るし」

40 女子「そっかー」

41 男子「そっす」

SE:セミの鳴き声強調

*間

SE:セミの鳴き声停止

SE:ひぐらしの鳴き声開始

42 男子「んん…… ふぁ…… んー? うわっ!?」

43 女子「おはよー」

44 男子「なんでこっち見てんすか」

45 女子「かわいー寝顔だなーって思ってー」

46 男子「……そんなことないっす」

47 女子「そっかー」

48 男子「ん…… もうこんな時間っすか。よしっ。先輩。そろそろ帰りましょう」

49 女子「えー? もう帰るのー?」

50 男子「帰るっす」

51 女子「うん。そっかー。分かったー。よいしょっとー。うわー」

52 男子「おっとっと、先輩。大丈夫っすか?」

53 女子「うん。大丈夫ー。……ふふー」

54 男子「なんっすか?」

55 女子「キミも男の子だなーって思って-。頼りになるよー」

56 男子「……行くっすよ」

57 女子「あれー? また照れてるー?」

58 男子「だから、照れてないっす。いいから。早く帰りましょう先輩。どうせ夏は長いし、先輩の就職先はまだまだ見つからないんですから」

59 女子「むー。それってどういうことー?」

60 男子「そのままの意味っすよ。……まっ、どうしても就職先が見つからなかったら…… お、俺がっ、就職先を斡旋してあげてもいいっすよ」

61 女子「んー? ほんとー? どんな仕事ー?」

62 男子「ま、まだ秘密っす」

63 女子「えー?」

64 男子「秘密っす! ……だから先輩。早く帰りましょう」

65 女子「はーい。……でもー」

66 男子「はい?」

67 女子「まだ、キミは結婚出来る歳じゃないよー」

68 男子「うえっ!?」

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