【♂2 ♀1】じゃじゃ馬の京子 2話

   

京子 女 人呼んでじゃじゃ馬の京子。喧嘩が強くて切符がいい。男まさりの性格。ひょんな事から祐一を預かる事になる。
祐一 男 8歳小学2年生。父親が借金を残して失踪。母親は過労で倒れている。人見知りが激しいというより、とある事情により大人しく【良い子】な性格になってしまっている。
不良A 男 ちんぴら。喧嘩そこそこ強い。長い物には巻かれる主義。

1 京子「で…… ルールを決めよう」

2 祐一「……はい」

3 京子「その前に、まずよぉ、そのビクビクしたのどうにかなんねぇか? あたしゃあんたになんかしたか?」

4 祐一「……ごめんなさい」

5 京子「はぁ…… あとそれな。ごめんなさいって言うやつな。それ。禁止な!」

6 祐一「……ごめ……」

7 京子「はい駄目~! バッテン一つ! あのよぉ…… 男はな。簡単にごめんなさいって言っちゃ駄目なんだよ。分かるか? 男が謝る時っていうのはな、本当に自分でもどうしようもない心の底から詫びをしなきゃいけない時だけするんだよ。男の頭はそんなに軽くねぇんだ。簡単に下げんな!」

8 祐一「……はい」

9 京子「はぁ…… 絶対分かってねぇよなぁ…… おしっ! まぁいいや。とにかく、ルールその…… あーいくつ目だっけ? まぁいいや。次のルールな」

10 祐一「……はい」

11 京子「っ! あぁい! その間! その間だよ! その間をどうにかしよう! なんかこう、キャッチボールっていうの? 言葉ってそういうのが必要なんだろう? あたしがストレートで投げてんのに、あんただけチェンジアップ投げられるとタイミングズレんだろ! キャッチしそこねちゃうじゃん!」

12 祐一「野球わかんない……」

13 京子「はいはーい! どうもすいませんでしたー! ったく…… どうしろって言うんだよ……」

14 祐一「ごめ……」

15 京子「おし! 言わなかったな! セーフ! それでいいんだよ。で、お前学校は? っていうか何歳だ?」

16 祐一「天神小学校2年生。8歳…… です……」

17 京子「天神小か、ってーとここからだと…… 20分ぐらいかかるな。何時に出りゃいいんだ……?」

18 祐一「あの…… 8時ぐらい…… です」

19 京子「お、あんた算数出来るんだな。偉いじゃん! そっかぁ、っていうとあたしが出るのと一緒に出れば大丈夫だな。毎朝6時に起きるぞ! 起きられるかぁ~?」

20 祐一「大丈夫……です……」

21 京子「おし! んじゃ、あんたの寝床作ろう。布団で寝られるよな? あ、あとそうだ。あんたの歯ブラシとか買ってこないとな。あぁ、あんたは明日の授業の準備をしとけよ。ちょっと買い物してくる! 飲み物は冷蔵庫から適当に飲んでいいぞ。トイレはここな! すぐ戻るから、誰か来ても出なくていいからな~!」
SE:マンションの扉の開く音
22 祐一「あの……。いってら……っしゃい……」

23 京子「……おう! いってきます」
SE:マンションの扉の閉まる音
○商店

SE:ガヤループ

24 京子「8歳用…… 8歳用…… っと、あった! これだな。あとは何がいるかな……?」

25 不良A「お? 京子さーん!」

26 京子「うげっ、こんな所であんたなにしてんのさ」

27 不良A「買い物っすよ。京子さんこそこんな所で何してんすか?」

28 京子「あの子の日用品とかを買いにね」

29 不良A「くふふふふ」

30 京子「何さその笑いは気持ち悪い…… なんか言いたい事でもあんのかい?」

31 不良A「いや、京子さんも案外楽しんでいるようで何よりっす」

32 京子「んな事ねぇよ。面倒で仕方ないぜったく」

33 不良A「では、俺はこれで。京子さんも年の離れた弟との生活をエンジョイしてくださいっす~」

24 京子「んなんじゃねぇっつってんだろ! ……はぁ。まぁいいや。あたしもこれ買って帰ろ……」

SE:ガヤ終了

※間

SE:マンションの扉を開ける音

25 京子「ただいま~」

SE:マンションの扉が閉まる音

SE:鍵の閉まる音

36 祐一「あの…… おかえり……なさい……」

37 京子「おう! どんなのがいいか分からなかったから、適当なの買ってきたぞ」

SE:買い物袋がさがさ

38 祐一「わぁ…… 青…… 色……」

39 京子「お? 青好きか?」

40 祐一「好き…… です」

41 京子「丁度よかった。はいこれ。あんた用のコップとお茶碗。ついでだから買ってきた」

42 祐一「わぁ……… ありがとう…… ございます……」

43 京子「おう。大事にしてやってくれ。んじゃこれから夕飯作るから、あんたはテレビでも見て好きにしててくれ」

SE:ぐつぐつと何かを煮る音

SE:まな板の上で何かを切るトントントントンという音

44 京子「ふんふふーん。っと、ん~? 少し薄いかな…… ま、いっか! ……ん?」

45 祐一「……」

46 京子「どうしたい! なんかあたしに用事があるかい?」

47 祐一「あの…… 見てちゃ…… 駄目…… ですか……?」

48 京子「いや、別にいいけどよ。見てても退屈だろう? テレビでも見てなよ」

49 祐一「あの…… テレビ見たことない…… から…… それと…… 見てたい…… です……」

50 京子「へ~。今時珍しいねぇ。ま、いいや。好きにしな」

51 祐一「ありがとう…… ございます……」

52 京子「おう。ふんふふーん」
※間
53 京子「んじゃ、いただきます」

54 祐一「いただき…… ます……」

SE:食器のカチャカチャ言う音(食事中)

55 京子「ん~。我ながらこの鰤の照り焼きはうめぇ~! ずずず…… ん……? 味噌汁はちっと薄かったか?」

56 祐一「あの…… 美味しい…… です……」

57 京子「そうかそうか。ま! あんたがいいならいいやね。はぐっはぐっ。ところでよ。あんた、テレビ見た事無いって言ってたけど、普段何してるんだ?」

58 祐一「……?」

59 京子「いや、何して遊んでるのかと思って」

60 祐一「あの…… よくわからないです……」

61 京子「……そっか。ま! それなら、これからあたしが楽しい遊びをいっぱい教えてやるよ! だから、腹一杯好きなだけ食べな! ほいっ! ほいっ!」

62 祐一「ありがとう…… ございます…… あ、あの…… そんなに食べられない…… です……」

63 京子「大丈夫だって! 男の子なんだから、これぐらい食べられるようにならなきゃ駄目だ! 喰わなきゃ力出ねぇぞ!」

64 祐一「頑張り…… ます……」

65 京子「あははは! その意気だ!」

※間

SE:食器を洗う音

66 京子「祐一~。先風呂入っちまいな~」

67 祐一「あの…… いいんですか……?」

68 京子「ん~? いいっていいって。何遠慮してんだよ! それとも…… 一緒に入るかい? ……あはははは! 赤くなってる! 冗談だよ冗談! いいから風呂入ってきちまいな!」

※間

69 京子「しっかし…… どんな親なのかねぇ…… あんまり人の親の事悪くいいたかないが…… はぁ…… それにしても長いね…… 祐一~? どうしたんだい? そんな困った顔して」

70 祐一「あの…… 僕の服…… 無いです……」

71 京子「しまった! そういえばあんたが入った後洗濯しちまったんだ。ん~。ちょっと待ってな」

72 祐一「寒い…… です……」

73 京子「あったあった。あたしのお古で悪いんだけど、これでも着てな。しっかしあたし、よく小学生の頃の服なんて持ってたね。備えあればなんとやらって奴だ」

74 祐一「すーすー…… します……」

75 京子「服はいいとして、替えの下着は買わなきゃ駄目だね。今日は悪いけどそれで我慢してくれな。明日日曜日だから一緒に服を買いにいこう」

76 祐一「ありがとう…… ございます……」

77 京子「いいっていいって。じゃ、祐一のふとんはあそこな」

78 祐一「いいんです……」

79 京子「いいんだよ! ……いいんだ。今日は疲れただろう? 明日は早くから行くよ。ゆっくりお休み」

80 祐一「おやすみ…… なさい……」

※間

81 祐一「すー…… すー……」

82 京子「まったく…… 本当に…… 気を使いすぎなんだよ。子供のくせにさぁ…… それにあの跡…… はぁ…… 面倒だねぇ…… まったく……」

 © 2016 堂家 紳士

 - 未分類