先輩と後輩2

   

須藤    男性   先輩

佐々木 女性   後輩

 

1 須藤「さーさきちゃん♪」

2 佐々木「ぎゃああああああ! って先輩!」

3 須藤「ひどいなー。そんなに驚かれるとショック……」

4 佐々木「ショックって……て! ひゃぁん」

5 須藤「て?」

6 佐々木「手! ありえない所触ってるんですけど……」

7 須藤「ありえない? ……あぁっ! なんという事だ! 頭を撫でていたと思ったら、これは佐々木ちゃんの胸じゃないかー! これはしまったなー!」

8 佐々木「はぁ…… それ、セクハラですからね。私がその気なら先輩を社会的に抹消できるぐらいのビッグなネタですから」

9 須藤「ビッグ? ふーむ。でも、これはスモールじゃ……」

10 佐々木「ひゃんっ…… し、し、し…… しねぇー!」

11 須藤「ごふっ。ナイスパンチ」

12 佐々木「いつまで触ってるんですか! それに、小さいとか…… ぶっ殺しますよ!」

13 須藤「ごめんごめん。でも僕はそんな君の発展途上の胸。好きだよ」

14 佐々木「先輩…… ナチュラルに触ろうとしないでください!」

15 須藤「おぶっ。ジョークジョーク。イッツア 先輩ジョーク」

16 佐々木「絶対に、止めなかったら触ってましたよね……」

17 須藤「うん。……がはっ」

18 佐々木「はぁ…… で、先輩。今日はどうしたんです?」

19 須藤「あ~それなんだけどな……」

20 佐々木「? はい」

21 須藤「あのさ…… 俺、もうすぐ卒業じゃん」

22 佐々木「そう…… ですね……」

23 須藤「やっぱさ…… 寂しいなって思うわけよ」

24 佐々木「えぇ……」

25 須藤「だからさ…… あぁ~! くそっ! だから……!」

26 佐々木「はい」

27 須藤「佐々木ちゃん、最後におっぱい思う存分触らせて!!!」

28 佐々木「はい…… はぁぁぁぁ!?」

29 須藤「いやー。俺考えたんだよね。この高校生活で俺がやりのこしたことは何かって。それで思い当たったんだよ! 触ってないじゃんって。だから…… ね?」

30 佐々木「ねっ? じゃなああああああああああああい! ほんっ! とにっ! このっ! 先輩はっ! 最後までっ!」

31 須藤「いたたたたいたい! 痛いって佐々木ちゃん!」

32 佐々木「ふんっ! ほんの少しだけ期待したのに……」

33 須藤「え?」

34 佐々木「なんでもないですよー! はぁ…… もういいから。先輩。帰りましょー!」

35 須藤「あーい」

※間

36 佐々木「でも先輩……」

37 須藤「ん?」

38 佐々木「本当に、卒業しちゃうんですね……」

39 須藤「あ~うん。残念ながら留年ではないなぁ」

40 佐々木「もー! そういう事じゃないですよ!」

41 須藤「はは。……うん。分かってる」

42 佐々木「……」

43 須藤「俺が卒業した後も、しっかりがんばれよ」

44 佐々木「……」

45 須藤「もー! 大丈夫だよ佐々木ちゃん! 前とは違うよ。佐々木ちゃんだいぶ明るくなったし。すぐに俺の代わりの友達できるって!」

46 佐々木「……できません」

47 須藤「できるって! 大丈夫! なんてったって俺の後輩ちゃんなんだぞ! もう、君は一人で歩ける」

48 佐々木「そんなの無理ですよ…… だって、先輩だって知ってるじゃないですかぁ! あたし……! 一人じゃ無理ですよぉ……ぐす……」

49 須藤「あーほらほら。泣かないの。ま~ったくお前は…… ほんと俺卒業しちゃうんだぞ。そんな事でどうするよ」

50 佐々木「あたしも卒業します!」

51 須藤「いやいや。無理でしょ。お前、高校ぐらいはちゃんと出とかないと困るだろ」

52 佐々木「でもぉ……」

53 須藤「佐々木ちゃん言ってただろ。今まで心配かけた分、しっかり卒業して両親を安心させてやるんだ~って。それに卒業したからって、俺達も会わないわけじゃないじゃん。俺も大学は地元の大学に決まってるしね」

54 佐々木「でも、もし大学に行って彼女とか出来たら…… あたし、さすがに遊びにいけないですよぉ……」

55 須藤「あーね…… それは、大丈夫なんじゃないかなぁ……」

56 佐々木「?」

57 須藤「うっ、と、とにかく。大丈夫。大学行ってもべつに彼女作るつもりはないし、それに、彼女が出来たからってこんなにかわいい後輩を邪険にしたりしないって!」

58 佐々木「ほんとに?」

59 須藤「(……かわいい)」

60 佐々木「ほんとにほんと?」

61 須藤「お、おう!」

62 佐々木「よかったぁ! えへへ」

63 須藤「も、もう辛抱たまらん! うおおおおおお! 佐々木ちゃん好きだー! 付き合ってくれ!!!」

64 佐々木「あ、それは無理です。先輩はそういうんじゃないんで……」

65 須藤「……え?」

 © 2016 堂家 紳士

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