【♂1 ♀1】不良娘とマジメガネ
美佳 18歳 不良の女の子。がさつな性格、元と恋人になったものの、元々恋愛に弱いので、元に振り回されまくり。
元 18歳 超が付くほどマジメな青年。美佳の恋人だが、天然のS。美佳をステータスやレッテルではなく、中身で評価している。ちなみにメガネ男子。
元「……おい」
美佳「……げっ!」
元「何をしている。もう煙草はやめたんじゃなかったのか」
美佳「っち、うっせーなぁ。あんたには関係ねーだろ」
元「だいたい、ここは学校だぞ。お前今度先生に見つかったらお小言だけじゃすまないだろう」
美佳「……はぁ。わかってるっつーの。ただ……なんかよ……」
元「っ! おいっ! 隠れろ!」
美佳「うーっ! んんーっ!」
元「シッー! 安藤先生だ。大人しくしろ!」
美佳「んう……」
元「よし、行ったみたいだな」
美佳「……いつまでひっついてんだよ」
元「ん?」
美佳「安藤はもう行ったんだろ。早く離れろよ」
元「なんだ、照れているのか?」
美佳「んなっ! ばっ、んなわけねぇだろ! こんなくそ暑い日にあんたにひっつかれてると迷惑だって言ってんだよ!」
元「そうか? もう10月だし、さほど暑い気はしないが」
美佳「あんたがそうでも、あたしは違うんだよ!!」
元「そうか。すまん」
美佳「っけ……」
元「それより、いいからその煙草をよこせ! 次も見つからないとは限らないんだぞ!」
美佳「へっ! やーだよ。なんであたしがあんたの言う事聞かなきゃならないのさ! 取れるもんなら取ってみな!」
元「ふむ……」
美佳「ちょっ! ばっ、何するんだよ!」
元「? 取ってみろと言われたから取っただけだが?」
美佳「いや、そうじゃなくて。っていうか、なんの躊躇いも無くブラの中に手入れんなよ!」
元「お前がそこに仕舞ったんだから仕方ないだろう」
美佳「いや、そういう問題じゃ………あーもう! なんなんだよお前は! 普通そこはためらう所だろうが!」
元「なんなのかと言われると……お前の恋人だろう? 違うのか?」
美佳「ばっ……ばっかじゃねぇの! こんな所でこいっ、恋人とか! 恥ずかしくねぇのかよ!」
元「誰も見てないと思うが」
美佳「そういう事言ってんじゃ……はぁ。もういい。それで、あたしから煙草を取り上げて満足したわけ?」
元「概ねは」
美佳「良かったねー。優等生のマジメ君としては恋人が煙草吸ってるなんてバレたら困るもんねー」
元「……? 別に困らないぞ?」
美佳「困るだろ! そもそも、あたしが恋人だって……それ自体あんたにとっては迷惑だろうが……」
元「……? 何を言いたいのかは分からないが、別にお前がそのほうが良いなら、お前が恋人だって触れ回っても構わないぞ?」
美佳「それは……! 恥ずかしいからやだ……」
元「そうか。それに、別に俺はそんな理由でお前に煙草をやめてほしいわけじゃない」
美佳「じゃあなんだって言うんだよ。どうせ恋人のあたしが停学になったりしたら困るってだけだろ」
元「違う。別に俺はお前の生き方にとやかく言うつもりはないぞ。不良でもなんでも、俺は俺、お前はお前で、それぞれの生き方があるし、これまでそうして生きてきたんだから、生き方を急に変えろと言われても困るだろう」
美佳「じゃあ……」
元「けどな、煙草は健康に悪いだろ。生き方に干渉する気はないが、お前には健康でいてもらわないと。結婚して俺たちの子供を産んだ時困るだろう?」
美佳「んなっ!? な、な、なーにいってんだよお前は! けっ、けけけっ、結婚とか! まだあたしたちには早すぎんだろうが!」
元「そうか? 俺たちだってもう18だ。法律的に言えば結婚できる年齢だぞ?」
美佳「んなこたぁ知ってるよ! そ、そうじゃなくて……なんだ……その……」
元「……? 何が問題なんだ」
美佳「そういうのはさ。その、好き合ってる相手とさ……一生一緒に居たいってその……」
元「俺はお前の事が好きだし、一生一緒に居たいと思ってる。お前は、違うのか?」
美佳「んなっ! 本気かよ! あたしだぞ!?」
元「本気もなにも最初からそう言ってるだろう。そもそも、そうじゃなきゃ付き合ったりなんかしない」
美佳「だけど、あたしはあんたと違って頭も良くねぇし、我慢できねぇし、喧嘩ばっかしてっから、肌だってキズだらけだしよ。それに……」
元「おい」
美佳「ん?」
元「俺の恋人のことをそんなに悪く言うな。お前でも怒るぞ」
美佳「っ……!」
元「俺はお前が思っているよりもたくさん、お前の良い所を知っているし、お前に短所がいっぱいあるなんてこと始めから知ってる。それらひっくるめてお前が好きだと、そう言っているんだ。お前はただ、俺を信じて、俺の事だけを見てればいい。お前の事は俺が見ててやるから」
美佳「~~~っ! ばっっっっっかじゃねぇの!! 恥ずかしいんだよばーか!」
元「あっ、おい! ……? どうした? 急に立ち止まったりして」
美佳「どうせあたしのこと見てんなら、隣で見てろよな。あたしも……その、なんだ……見ててやるからよ」
元「あぁ、もちろんだ」
美佳「……ふんっ」